人を占わば穴二つ

ネタばれします(ちょっとばかし追記もしました)。
さて。
仕事が忙しくて、つーのはもはや定番というか使い古され過ぎてお天気伺い程度の挨拶になっておりますが、最近は輪をかけてワタクシ事でも気の休まる暇がなくてちょっと困っています。知人へメールを送るのに文面はおろか、絵文字を入れるかどうかまで悩んでいればそりゃ疲れるわな。公私ともに墓穴を掘り続けている気がしないでもない今日この頃でございます。
とはいうもののこのままお陀仏する腹づもりがない以上、どこかで息抜きをする必要があるわけで、昨日は定時で仕事を切り上げて℃-uteの舞台「劇団ゲキハロ 第6回公演 あたるも八卦!?」を観劇してまいりました。3分待ちますのでネタばれ嫌な方はいますぐスタコラッシュ。

3分経った。
観劇後の率直な印象を申し上げますと「金返せ」かな。汗水たらした貴重なお金をドブに捨ててしまった怒りというか申し訳なさで眩暈がしました。それくらいつまらなかった。以下につまらなかった、怒りを覚えた箇所を列挙しておきますので、この舞台が面白かったという方はどこが面白かったのか教えてほしいです。マジな話。

1. 主人公は誰?
2. 多すぎるキャスト
3. 薄っぺらなストーリー進行
4. 広すぎる舞台
5. 一向に向上しない ℃-ute メンバーの「演技」

℃-ute の座長公演ということで、全員ではなくてもメンバーの誰かが主役張るんだろうなという認識で行ったんだけど、実際は眞賀里知乃さんだったように思う。
・占いに翻弄された女教師が空回りと絶望の果てに生徒である℃-uteメンバーに救われるという本筋の中で、女教師を演じた眞賀里さんの迫力と演技力は素晴らしかったと思う。「食っちゃった」ということか。
・しかし同時に、いやそれ以上にメンバーの「舞台」でのスキル、お作法は一向に向上しないな。滑舌が悪い上にボソボソと喋るので最後方で観てた男にはセリフが所々聞きとれず、想像で補うなかなかのストレス。もっとパンとした声を出そうや。
・セリフも一本調子で、相手のセリフに対する受け方の「間」にも余裕がないので、暗記したものを吐き出すように見えるところも、とってもデジャヴ。観てた限り素に近いというかどこかで観た事のあるキャラで演じやすかったとは思うけど、素に近かったら工夫はしないよな。
・そのせいか分からないけど、役名を覚えなくても全く気にならなかった。
・キャストが多すぎ。どうしてもいなければならない人物は半分ぐらい。
・メンバー6人を一律に同じ位置で扱いすぎ。何人かは「占い師」の側に立たせても良かったのではないか。少なくとも「サーシャ」役はえりかさんでも充分に務まったように思う。オリエンタルだし。
・前半が冗長すぎたせいで後半にしわ寄せ。本筋の占いに「信じる者」以外の「否定するもの」「頼らないもの」のサブストーリーがとってつけたような終わり方だったのが残念。占いに翻弄されて行方不明になるんなら、冒頭のような気がする。
・「こんなに沢山の可愛くて優秀な占い師がいては、私の出る幕はないですね」というラスト寸前のあいざわ元気翁のセリフは「占い」≒「言葉」によって人を幸せにも不幸せにもできるというメッセージが込められているように思えてテーマとしては良かった。
・惜しむらくは占いの「ネガティブ」な側面を象徴する悪役が具体的なキャストで現す事ができなかったところか。
・スポットライト以外の所での演技が多すぎ。別場所で起こっている同時進行の出来事を表すという意図だと思うけど、ちょっと鬱陶しいかも。
・舞台が広すぎるんだと思う。少なくともテアトル銀座でやらなければならないほどの物語ではないな。収容人数を考えると妥当な箱かもしれないけど、ショバ代も高いのでその分チケットに跳ね返っている気がする。
・ミニライブではあの広さに相応しいのに、本番中はこじんまりとして見えた。
・「ファンのみがすごく楽しめる舞台」と「ファンじゃなくても楽しめる舞台」。顕微鏡と望遠鏡が優れているのかという議論に似て不毛な争いのような気がするけど、少なくとも知人には「℃-ute のライブって凄いんだぜ」とは言えるけど「℃-ute の舞台に行こうぜ」とは言えないかな。