大相撲秋場所9日目
結構暑い。「暑さも寒さも彼岸まで」といいますが、今日は敬老の日。
琴欧州関が全勝を守り、15日制となってから新関脇の初日からの連勝記録更新。今日は踏み込みが良かった。内容に関してはこのまま行きそうですが、プレッシャーとの戦いが明暗を分けそう。僕みたいなガヤがいますからね〜。
カド番千代大海関が面白い。往年の突き押しの破壊力は衰えつつありますが、気迫がすごい。見ていて気持ちが良いです。もっと早く今の境地に達してれば横綱なんでしょうが。
しかしやっぱ一押しは大関栃東関でしょうか。スロースターターな彼が内容が良い二敗堅持。基本的に昔から千代の富士、若乃花などさほど大きくない力士所謂技巧派が好きなのですが、当代一の業師は矢張り彼かと思う。
業師と一口でいっても、これまで様々なタイプの業師がいました。
左上手を取ると万全だった千代の富士は業師を超えたこれぞ横綱という相撲でした。
強靭な足腰から起死回生の大技を繰り出した若乃花の相撲は、見るからに力強く華麗でした。
相手を研究し尽くし、心理面まで読んで相手の意表をつく「技のデパート」舞の海の相撲は、他者にはマネのできない変則的なものでした。近頃は「モンゴル支店」旭鷲山が大分このタイプに近くなってきた。
その点栃東関は、あくまでも正攻法。逆転技や変化技ではなく、常に真っ向勝負を挑むという点で千代の富士に似ています。
しかし彼の技巧は「相手の長所をいかに殺して自分の型に持っていくか」というところから出発していて、自分の見る限り(20年)これまでにいない業師のような気がします。
巧みなおっつけは相手のかいなを宙に漂わせ、華麗に円を描く足さばきは相手の突進力を分散させています。テコの原理や遠心力という合理性が勝つまでのプロセスに息付いていて、見ていて唸ってしまいます。渋い。
理論派大関といわれる所以だと思います。
勿論相撲は専門にやっていませんのでこちらの勝手な思い込みかもしれませんがね。
ここ2年ほどは怪我に悩まされ、なかなか自分の力を持続して出せないでいますが、横綱朝青龍の圧倒的なスピードや外国人力士のパワーに対抗できる技を持っているのは今のところ彼だけであると思います。
スピードとワザ、パワーとワザの究極の攻防戦をもっと見たいです。
今日の相撲も小結普天王関の体を起こし、おっつけて力が出ないようにした上での押し出し。うーむシビれます。
優勝争いは2敗ですが、横綱や琴欧州との対戦も残っており彼が優勝争いの行方を握ってる気がします。