オランダ VS アルゼンチン

美勇伝の伝説も最終章となりました。


僕にとっても、本当に面白いユニットだったと思うし、
メンバーはいつまでも新鮮な距離間だったし、
何事もすっごい上手だったわけではないが、
それが、妙に心地良いのが美勇伝でした。


「なんにも言わずに I LOVE YOU」おっさんコメント

新鮮な距離間って、単に仲が悪かったということじゃないのか?
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新曲発売まであと一週間となりましたが、イベントの詳細も発表されないし、「ベリキュー!」でのスポット CM すらない終末感が却って清清しいくらい。MJ の出演もよく考えたら2週間前だもんなぁ。出てくれるのは嬉しいし、ありがたいんですけど、プロモーションの効果はあんまり期待できんなぁ。完全に内輪頼りなんですが、今までもそうだったので腹も大してたたん。
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さて、今日は先週末のヲレ聖誕祭@福岡、ということで娘。のコンサートに行ってきた感想をちょろっと。必然的にネタばれしますのでご注意を。
といっても「シングル大全集」と銘打ってる以上、曲目自体はネタばれしてますし、必然的にどう見せてくれるかの方に興味が移る訳で、オリジナルのメンバーがいない曲を今のメンバーがどう「カバー」するかを見てました。
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そう考えると1つのハイライトは中盤のゴロッキのソロコーナーでしょうか、やっぱり。
道重さんの「ふるさと」は感情がそのまま乗ってる分不安定だったし、技術的にはまだまだの部分があるけど歌の良さってのはそういうところだけにはないし、伝わってくるものは沢山あった。彼女がこの歌に真摯に向かい合ってるのが聞いて取れただけでも充分。目をうるうるさせて歌うその姿は「しゃゆうううううう」というのに相応しいものでした。
亀井ちゃんの「涙が止まらない放課後」は面白かったね。オリジナルは紺野さんの儚くも甲高いこえが印象的だったけど彼女のはそれに伸びやかさと艶やかさが加わってました。これを聞くだけでも福岡に立ち寄った甲斐はありましたし、これぞ「カバー」の名に相応しい。フルコーラスで聞きたかった。
れいなさんの「メモ青」はオリジナルの R&B テイストをピアノパートを増やしたジャズ寄りのアレンジになってたように思う。すごく良かったですし、その手間は称えられるべき物だと思うけど、そこまでするんならやっぱ生演奏だよなぁ。オケの都合に合わせた歌い方になっててその辺りは不満足。間奏のラップもいらん。ディナーショーとか STB 辺りでもう一度聞いてみたいと思ったのはエルダー寄りならではの感想かも。
んで、ガキさんの「真夏の光線」。かつてアカペラでサビを披露したことがあったのですがその時のことをふと思い出しました、市井ちゃんの武道館だったかな。個人的にもすごく好きな曲で楽しそうに歌うガキさんの姿を見るだけでお腹いっぱいになった。惜しむらくは途中から出てきた他のメンバーとのコーラスワークがなかったことですかね。
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以上が大体前半部の終わりごろにあったのですが、もちろん高橋さんの曲もありました。5人の一番初めに「Do It! Now」、すごく上手かったですよ。
ただそれまでの曲もいわば「高橋愛歌謡ショー」的な曲順になっててただでさえ飽きていたところにまたソロか! みたいな感覚があってその点彼女には気の毒だったと思う。
「笑顔 YES ヌード」も「悲しみトワイライト」も吉澤さんと藤本さんがいなくなるだけでこうも印象が変わるのかというのは新鮮でしたが、今の娘。ひいてはハロプロ全体が抱えているシステムに対する不満もあって、高橋さんソロまでの流れは個人的に頭を抱えたくなる事態でした。
今のハロプロってユニット内でのメンバーの扱いに如実に格差があって、シングルA面でメインボーカルを取れるメンバーとそれ以外のメンバーという推され干されの関係が顕著ですよね。固執してるといって良いくらいでこれはあんまり面白くないしよろしくないと考えてる。
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で、ここから先は思い込みがいつもより多分に含みながら脱線しますけど、この一種の「スターシステム」と言うべき方法はかつてのマラドーナのいたアルゼンチンのようにチームに絶対的中心がいればそれなりに機能しますし、モーニング娘。にしても安倍なつみさんや後藤真希さんのような大エースがいた頃はそれで良かったですけど、今の娘。に相応しいシステムかどうかはちょっと…
確かに高橋さんはエースで4番で主将という存在でそれをこなす力量もありますが、かつての2人と比べ絶対的かというと僕の頭の中ではちょっと疑問符がつく。このあたりが黄金厨たる所以で、今の田中さんとの2党体制が続くのも面白くないし、続けるメリットもあんまり感じないです。
んでどうすべきかの話ですけど、このまま田中さんと並んでカリスマ性を高めるという当たるかどうか分からない手間をかけ続けるよりは、曲ごとに中心を変えてやった方が魅力的なんかじゃないかと思っています。今回のソロを聞いた限り、少なくとも5, 6期プラス久住さんは誰が中心に来ても面白いものができる気がした。特にへらへらしている AB 型19歳♀。
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すでに成仏した身がすごく図々しいですけど、これはもともと ℃-ute の方で適用しようとしていた考えでして、鈴木さんと矢島さんがメインボーカルを取り続ける今の体制は ℃-ute の魅力を十全に発揮しているようには思わないのね。また美勇伝が「石川梨華 with その他2人」というイメージを脱却できなかった、あるいは払拭しようとしなかったという無念さが根底にあります。
現代サッカーの主流が王様中心の「キングダムサッカー」より、ある程度の役割分担はあるもののよりポリバレントな能力が要求されるいわゆる「トータルフットボール」に移行しているように、アイドルユニットも今はオランダ的価値観というか誰が中心か分からない、いや誰もが中心になって動けるシステムの方がユニットとして魅力的に映ります。Perfume が例として適切か分かりませんけど、少なくとも Buono! はそういうユニットですよね。って素朴な疑問だけど Perfume のメインボーカルって誰なんだろう、そもそも区別がつかん。
とまぁやや娘。のコンサートから外れたことを言ってきましたが、かつての娘。にも推され干されの格差はありました。しかし、歌以外の部分でフィーチャーされる部分もあったし、抜擢人事というのも存在していて、今よりまだ流動性があったように思います。昔に戻れということではありませんが、今の固定化されたというか一種の守りの姿勢というやつはモーニング娘。が持つべきものではないんじゃないのかなぁ、と思ったのでした。
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そういうことを前半部で考えていてやや鬱屈した気分になっていたのですが、後半部は僕が熱狂的だった時代の曲がこれでもかというくらい並んでいてそれはもう楽しゅうございました。ちょうど未来から現在、過去に戻るような感覚で、逆だと困っただろうなぁ。
当然フリコピも熱心にやっていた時代ですので、不完全ながら体が覚えているわけですけどもステージ上や観客席と違うフリの部分があったのは面白かった。時代とともに移り変わるものはやっぱあるんだなぁと感じた瞬間でした。そりゃそうだわな。かつては「恋のダンスサイト」は猫も杓子もホイッスルだったし。