夜もヒッパレ? 4(承前)


フェルメール展に行ってきた。
土日は混むのが分かりきっていたので、「金曜日の8時まで開館」を狙って仕事帰りにフラッと寄ってみた所、70分待ちとかありえねぇ。お前らどんだけフェルメール好きなんだよと自分のことを棚にあげて呆れ返ったものですが、開催が14日の日曜日までなので間際の特需に巻き込まれたということでしょう。美術館側もこの人出は予想外だったようで、20時閉館のところが、21時閉館に急遽変わり、これは助かりました。
で。
フェルメールという画家は個人的には凄く凝り性の人だと思っています。主題はありふれた日常が多いのですが、背景や脇の随所に寓意やサブの主題、いわゆる「小ネタ」が散りばめられていてとても面白い。それも人によって見方が千差万別ですから、謎を解説するプロセスだけで番組ができるくらい。それを遠近法を用いた綿密な空間構成で処理しています。理系チックというかロジカルな面が画面のそこかしこに現れていて、一種独特の雰囲気を醸し出している。
バカさ加減も群を抜いています。彼の画の特徴の一つに「フェルメール・ブルー」と評される鮮やかな青色がありますが、これを出すのに当時黄金よりも高価だった「ラピスラズリ」をふんだんに使っていたそうです。彼の死後、奥さんが破産申請したくらい借金があったそうですが、彼の凝り性に原因がないともいえない。
以上大半が受け売りでしたが、今回は7点の来日ということで、初期の作品から先ほど述べた独特のスタイルを確立するまでの変遷が垣間見れて、とても有意義な観覧となりました。絵にもスター性ってあるのね。
とこのまま終わっちゃってもいいのですが、場所も場所と言う事でハローの方に無理矢理舵を切ります。


○PV部門次点

江戸の手毬唄II℃-ute

最近のハローの PV、特にワンダフルハーツを構成する3ユニットの PV にはこれでもかってくらいダンスシーンが出てきます。
根本的な疑問なんですけど、ダンスシーンって本当に PV に必要なんですかね?
歌いながら、踊る。そのシーンを映像化する。その過程自体はなんら問題ではない。ただ、それはライブでのシーンを収めれば済む話であって、PV で絶対やらなければならないという話ではないですよね。寧ろ CD の販促を目的としている以上、楽曲世界を映像に反映させるのが PV の本来の主題のように思います。演者じゃなくて歌詞世界。
確かにアイドルの場合ビジュアルが主題となり得ますから、それを前面に押し出す今の手法は正解である。そう考えると結局は主題を「歌詞」と「人物」のどちらにおくか、プライオリティの問題かもしれない。ただそう言い切るには最近の PV のダンスシーンは構図的にも引き一辺倒だし、見切れるメンバーが発生するなど、人物配置も雑で頭を抱えるものが多すぎる。極端な話、今の「まるごとダンスシーン」というのは、経費削減につき、手も抜いてますとしか思えない。プライオリティ以前の問題。
演者で見せるんだったら、もう少し横あいからのカメラとか、上からのシーンなど PV でしか出来ない事をやってほしい。あ゛、娘。の秋コンサートで上からのシーン、あったな。美勇伝の「唇」でもあるし。じゃあ尻からだ、ケツ。プッチモニでやってた。ぢゃあライブ時のフォーメーションを分けるだけでも構図的にも全然違うし、レイアウトも楽。「恋レボ」であったな。
って全部やりつくされてんじゃん。結局、視点がコンサートの観客のそれと同じってバカじゃないかと吼えるだけになってしまった。トホホ。
最後に負け惜しみで言っておきますが、最近は注目すべき「小ネタ」が減っていてちょっと困っています。
以上デース。