ガラスの仮面

2日もサボるんなら、日曜日に書いた分を回せば良かったぜ。とはいうもののカウントダウンは性に合わないので、好き勝手やって気がついたら80日経っててぽっくり成仏というのが理想。
で。順当なら先週でオペラ・ド・マランドロの決着をつけるつもりだったので、そこを引っ張ってみる。
先日も書いたとおり、考える事が多くてぼくの中では割と好感触の舞台だったのですが、そのおかげか観劇中はすっかり忘れてました。ミュージカル嫌いだったってことを。
中学時代に妹が持ってた「ガラスの仮面」にハマって以来、舞台を見るのはわりと好きで大学時代は良くあちこち出かけてたのですが、唯一ミュージカルだけがダメでした。理由としては凄く単純でセリフの最中に歌いだす理由が全く分からなかったんですね。ウェストサイド物語とかジェット団とシャーク団が一触即発の事態なのに歌ってみたり、踊ったりで訳が分からない。「訳が分からない」「理解できない」ことが気持ち悪くて近づくのも嫌でした。そんなわけでハローのミュージカルはほとんど観たことがない。
観た唯一の例外は3年前の「リボンの騎士」でしたが、やっぱり「ミュージカル」というのが頭にあって身構えてしまい、苦虫を噛み潰しながらの観劇となり、界隈で絶賛されるほどの感激はなかったことを良く覚えています。
今回も事前は石川さんがどアウェーに出るのは嬉しいけどオペラか…という若干の失望があり、けしてミュージカルを克服した訳じゃないと思ってたので、何の抵抗もなく観終えたのは不思議で仕方がない。思うに頭をフル回転させてセリフや演技で物語を追っていたのが良かったのではないかと考えていますが、いずれにしろミュージカルに抵抗がなくなったのは今後の人生を送る上でわりと大きい事なのかもと思っております。
そういうこともあって、先だっての土曜日も池袋に足を運んだ訳ですが、初日と比べ多くの所で変化がついてたように思います。特にアドリブは増えてたなぁ。ルーのスカートを覗こうとする手下。壊れる香水。箱を蹴飛ばして歩く方向が変になるマックス。1回多いルーとマルゴーのバトル、などなど。ヴィクトリア(ルーの母親)の「ヘンな頭」には爆笑しました。
そんななかで唯一おやっと思ったのが、マックスがルーに会社の金をゆだねて逃げるシーン。マックスが逃げる前にルーに金庫の開け方を教える場面で「16にあわせ、右に3回、左に…」とルーに繰り返させる後ろでマックスがお触りを始めます。初日はそれほどではなかったのですが、この前は「このハム野郎」と一瞬沸騰するくらいには過激になってた。そんなマックスのセクハラ攻撃に返したルーのアドリブは


(苦笑気味に)はなれて…


えー?
少し前には「このハム野郎!」と穏やかならざる事を考えてたのに図々しい話ですが、その返しはないだろう、と割と素で思いました。だってルーとマックスは夫婦なんですぜ。嫌がる感じがかなりの違和感。マックスも「離れてはないだろーせめて『はいはい』って言って(あしらって)くれよぉ」とオイオイ泣いて笑いに変えてましたが、舞台を壊しかねないアドリブだったなと。
もちろん夫婦だからって何をしてもいい訳じゃないけど、あの場面だけはルーの仮面が剥がれ落ちて、石川梨華という素顔が垣間見えたような気がしたのでした。石川さんらしいと思ったけどルーらしくはなかったな。
因みにぼくの脳内での模範解答はマックスの鼻をポンと触りながら


お楽しみは、あ・と・で♡