おわりのはじまり(承前)

ネタばれちょっとします。
来年の南アフリカワールドカップの出場権を手にしたサッカー日本代表は武者修行の一環で欧州でオランダ、ガーナと対戦。先週の土曜日はほぼベストメンバーのオランダとアウェーでガチンコ勝負ということで楽しみにしてたのですが、前半は善戦したものの後半はいつものごとくガス欠の時間帯で立て続けに点を取られて木っ端微塵の結果となりました。
まぁ結果自体は然もありなんで W杯に向けての課題が出尽くせばなぁとは思ってたんですが、その課題が今まで指摘されていたものとほとんど変わらなかったのは何とも言えん。
まぁネタばれ回避の埋め草に過ぎないので多くを語るのはよしますが、一番疑問だったのは前半から全力で行って後半の半ばでガス欠というこれまでの悪癖をなんの工夫もなく晒し続けてることなんですよね。日本人の特性を活かしてコレクティブ(集団的)に戦うのは良いと思うんです。ただ日本代表するプレーヤーが90分間満足に戦えないような戦術はやっぱおかしい。ある選手は90分間走り抜く体力を付けたいとか言ってましたが、今まで身につかなかったものがこの短期間で身につくとも思えない。となると、動きに緩急をつけるとか他のオプションを用意するとか「第一案が使えなくなった」時の案を用意した方が良いように思うんですが、選手交代とか見てるとどうもそんな風に見えないんですよね。リスク管理とかその辺どうなってるんだろう?
 さて。
前フリが過ぎて恐縮ですが、ここから本題。一昨日の ℃-ute@福岡、全体の感想から。
ツアーが始まって3週間ほど経ちましたがその間ネタばれ一切なしで臨んだラストツアー。印象としては「砂漠の上で立てかけた梯子を一生懸命昇ってる感じ」といいますか、チャレンジングなのは大いに買うけど、その分基本というか大事な所を疎かにしてるように感じました。
一番残念だったのはコンディション不足だったところですかね。特に矢島ちゃんの歌。3曲目の「まっさらブルージーンズ」は肝心な所で声がひっくり返るし、ソロの13曲目「愛は勝つ」はキーを下げても保たなくて客に歌わせる始末。ちょっとそれはないだろうと。
前週はハワイに行ってて、前日は暑い中大阪でイベントとスケジュールがタイトで疲れてるだろうし、体調を崩しやすいってのは分かります。でもそれはコンサートでパフォーマンスが下がる理由にはならないですし、それより何より2年ほど前にも同じような失敗をやってるのにまた繰り返しちゃったというところが一番残念でした。体調管理云々じゃないですよ。コンディション不良が歌のパフォーマンスに悪影響を及ぼすことを経験して分かっているはずなのにその対策を怠っていたところに失望に近いものを感じた。
理由としてはわりあい単純で「常に同じパフォーマンスを提供する」というのがプロとして最低限の義務だと思うからです。マスを相手にする以上、同じお金を払って見に来るお客さんにプラスアルファはあって良いけれど、マイナスに出ることは許されない。再現性というのはヒジョーに大事だと思うの。
となるといかに同じものを提供できるかは日頃のレッスン、リハーサルを大事にすること、体調管理に気をつけることも然ることながら、上手くいかない場合に対処する技術やマネジメントも大事な要素になる。喉の調子が多少悪くてもちゃんと聴かせられる技術、歌えないなら他のメンバーに任せるといった危機管理といったことになると思うんですが、そういった部分での進歩が全く感じられなかったというところにプロとしてどうなのよ、と正直思った。
タップや早口言葉、ジャグリングにストンプ…いままでになかったステージを見せようとする姿勢、チャレンジ精神は素晴らしいと思います。でも「いつも来るお客さんにも、初めて来るお客さんにも同じキチンとしたコンサートを見せよう」という心構えは無くしてはいけないし、それを保つための努力を怠ってはならないと思うのですが…


といった訳で個人的ラストツアーは何ともモヤモヤした形で幕を開けておりまして、これからどう気持ちを持っていくか思案しております。この際気に入らなかった所は全部吐き出しておくべきかもしれない。

03. まっさらブルージーンズ
13. 愛は勝つ (矢島)