Extra Flight - 見せる人 3

◆離見の見について

鈴木ちゃんの話。
彼女の MC では「表現力を上げたい」「表現力を磨きたい」という言葉をよく聞きます。
彼女の歌に対する姿勢は高橋ちゃんとほぼ同質のもので「一生歌で食っていきたい」という志の高さが感じられていつも感心しています。普段はスベってばかりいるところも似ている。まぁ彼女はリーダーでは無いので特に大過はないんですが。
ただ「〜したい」というのは自分の理想に対して現状が不満だから少しでも近づけたいという欲望から出るもんだと思うんですよね。表現力を上げたい。裏を返すと今の自分には表現力が無い。では彼女は自分の表現力のどこに不満を抱いているのでしょうか。


まずつんくさんの書く歌詞世界が理解できないということが考えられます。これは国語の読解力という極小の可能性もありますが、彼女が今まで経験してきたもののなかにそれがないという可能性が高い。この種の問題であればもう人生経験を積んでください、というしかないですよね。あとはおっさんに直接聞くか自分で体験した範囲で似たようなことを当てはめてみるということぐらいでしょうか。
次に自分のアウトプットが自分の理想に届いて無い場合。これは自分の理想というのをはっきりさせた上で向かい合うべき問題だと思います。声が出ていないのであれば訓練すればいいし、感情を表わすのに思うとおりになっていないのであれば表情の検証や声の出し方を検討すればよい。これは技術的な分野に属する課題が多いでしょうね。
最後に自分のアウトプットがおっさんを始め、スタッフの言うことにそぐわないという可能性。これはまず話してみるのが解決法でしょうか。解釈の相違ということもあるでしょうが、アウトプットの手数が少ないということであればそれを増やすことを考えれば良い。いずれにしても舞台に出る前の準備で解決する課題だと思います。


他に色々と考えられそうですが、要は「表現力」というのは抽象的に過ぎるので、もっと具体的な課題にブレイクダウンすべきではないかということです。ファンの前で言ってるだけなら良いのですが、実際に「表現力を上げたい」と考えて実践しているのなら、それはゴールのないマラソンに挑戦しているようなもので危険だなと思っています。少しでも階段を登る感覚がないと跳ぶこともできない。まぁこれは鈴木ちゃんに限らず志を持つメンバーなら誰もが持つものでしょうし、このあたりを育成というんだと思います。
そうやって辿りついたクオリティが実は必要なかったということがある。ただこれはファンの側の意識の低さということだと思うので彼女たちが心配することではない。そういったものは気にせずに羽ばたいてほしいなとも思ってます。