セカンド・ベスト2

 最強に挑む構図としては明日の競馬、第47回宝塚記念も好例ではないでしょうか。昨年クラシック三冠を無敗で制覇し、前走の天皇賞でもレコードタイムで圧勝したディープインパクト。今回は秋の世界最高峰のレース凱旋門賞に向かう前の「壮行レース。」GIなのに、という思いはあるんですが、国内ではほぼ勝負付けが済んでますからいたし方のないところ。
 寧ろ挑戦してたのは馬というより人なんですけどね。天皇賞2着馬リンカーンに乗る横山典弘騎手。去年の三冠でもディープインパクトに最後まで抵抗し名を上げました。本人にとって名誉かわかんないけど。まぁ昔からユタカの一番人気には燃えると公言してた人ですから今回も最初から白旗を揚げるつもりはないのでしょう。「ヒットマン」と呼ばれた的場均現調教師と同様こういう人好きです。しかし今回は京都外回りで、元々脚の使いどころが難しいこともあるので、馬そのものではダイワメジャーの前残りの方が面白い気がします。
 挑戦する方は「ハチの一刺し」にすべてを賭け、王者は王者たるべく全力を尽くす。至高の座はそのギリギリの鬩ぎあいの連続で価値が決まる。そういう緊張感ある戦いは好きです。ですから全力を尽くして敗れた敗者には「最強の敗者」というありがたいんだかありがたくないんだかわからないネーミングが付くのでしょう。今回どっちかっつーとワンサイドゲームのきらいがあり、馬券的には三連単でもないと面白くなさそうですが、騎手の心意気は是非見たいし見せてくれるものと思う。楽しみ。