舞美Haaaan!!!

 ネタバレ注意。
 美勇伝の2007初夏を無事終えることができ、一息ついたのもホンの束の間…今度は℃方面での活動に何か切り替わってます。変わり身の早さに我ながら呆れますが、バスケットボールで例えますとピボットターンのような物で軸足が美勇伝、動かす足が℃-uteさん。軸足を動かすとトラベリングでおじゃんなわけです。つまり何が言いたいのかというと…あくまでホームは美勇伝であって軸足がぶれることさえなければ大丈夫ということなのです。そんなわけでしばらくグルグルターンを続けてようと思います。以上コウモリの言い訳終わり。
 さて。
 昨日は少し怒りのアフガン的更新でしたが、別に劇中ずっと怒ってた訳ではなくて舞台そのものはきっちり楽しませていただきました。怒りながら楽しむ…何か竹中直人さんの名人芸のデキソコナイのような状態ですが、その辺の切り替えをできるのはまぁ幸福な状態なのでしょう。なお、昨日のエントリーの中で向こう側で改善できそうなマイクの音量については一応アンケートに書いといたけど、さて…どうなることやら。後日確かめにいきたいと思います、わはははは。
 ここからは先はネタバレするんで隠します。あまりにも残念すぎて少し残っている羞恥心が刺激されるってのもある。
 全体としては後半の展開がやや唐突に感じましたけど充分許容範囲内。オッサンの中二病的世界観、「通学ベクトル」や「さぼり」の歌詞が好きな人なら充分楽しめる内容じゃないかと思います。基本的には矢島さん演じる神崎来夏ちゃんを中心とする「5人組」VS鈴木さん、有原さんの「2人組」、その「子供7人組」に対する何人かの「大人」という2種類の対概念が基本構造でしょうか。その後話が進み「現世の人間」VS「幽霊」という第3の対構造が現れます。
 子供達の人物造形は基本演じる℃のメンバーの「キャラ」を活かしてアレンジ加えている感じで全く違和感は感じませんでした。寧ろよく見てるなぁと感心もし、そういう引き出し方もあるのねと驚きもした。そして大人達。これが半分ほどが大人になりきれない大人達でして、ある意味観客側の何かをそのまま反映した人たちなんですよね。
 しかし、だからこそこちら側は彼らの中に自分たちの何かを見出し、投影し成りきることが可能になります。バカヒロさんになって、来夏ちゃんに「バカ」「死ね」「殺す」の三重奏でドヤされるのも良し、チョーさんになって夏美ちゃんと甘酸っぱい恋愛をしてその後別れの辛さに涙を流すのも良し、ミヤブーさんになって茅奈ちゃん、麻由ちゃんと一緒に遊びまわるのも良し、三歌ちゃんのお風呂を想像してみるのも良いでしょう。因みに僕は来夏ちゃんに「お前の全存在がウゼェんだよ!」と罵倒されたいなとちょっと思ってしまいました。
 三歌ちゃんごめんなさい。
 さて、お話はますます怪しくなります。
 クライマックスで幽霊の神崎夏美さんが実際にこの世を去ったのは「何時」という事と「何歳」でということをずっと考えていました。結論から言ってしまうと

・1992年の夏
・15歳

です。根拠は…無い。ただそう言うと元も子もないので考えた根拠を記しておきます。
 第一のキーワードは「私がオバサンになっても」。この歌はこの舞台の超超超超重要アイテムなんですが詳しくは割愛。注目したのはこの曲が発表された年が「1992年(正確にはアルバムが3月25日、シングルが6月25日)」ということなんですね。バルセロナオリンピックの頃友達が良く聞いてたので覚えてる。幽霊の夏美さんはこの曲を歌えましたから少なくともこの曲が出た1992年の初夏にはまだ生きていたと考えることができます。
 第二のキーワードは「中学三年生」。これは後ほどパンフレットの人物関係図で補完したのですが、来夏ちゃんたちはどうやら中3らしい。舞台が2007年の夏と仮定すると来夏ちゃんが産まれたのは「1992年」ということになります。
 第三のキーワードは「夏美と来夏」という名前ですね。先に書いたとおり、夏美ちゃんは黒い浴衣を着ていたことが原因でスズメバチに襲われ、恐らくアナフィラキシーショックによってこの世を去ります。ご両親や兄弟であるバカヒロさんやお兄さんはさぞ悲嘆にくれたことでしょう。
 しかしお兄さんのお嫁さんである友子さんのお腹には新しい生命が宿っていた。そして産まれてきた赤ちゃんにご両親は夏美ちゃんの生まれ変わりではないかと考え、愛惜を込めて夏美の再来である「来夏」と名づけたんじゃないかな。単に夏に生まれたからかも知れないけど。
 夏美さんが15歳というのは完全に願望。初恋というかあの年齢特有の甘酸っぱい思い出に浸りたいというステキすぎる願望のせいです。もう少しマシな解答をすると来夏さんが15歳になったこの年に不思議なことが起きたことを「15歳」でチョット因縁付けたいからなんですね。夏美さんが時間が無いと言ったのも来夏ちゃんが自分の歳を越すせいなのかもしれないと。
 そーゆーことを舞台を楽しみながら頭の片隅で考えておりました。後は駐在所から別荘まで何キロあるかというのもあるんですけどそれはまたの機会に。何れにしろ想像力の翼がバサバサ羽ばたけるくらい世界は広くて豊饒だという事です。
 明日はヒトゴトでも。続けるぜ。
 矢島さんについて。来夏・夏美の二役で演じ分けという悩みも深かったでしょうが、来夏ちゃんがエキセントリックというか濃い役どころだったので、やりやすくはあっただろうな。その分夏美ちゃんの方が来夏にないもの、という意識が強かったようで健気というよりは何か平板だったなぁ。この辺は成長の必要はあるだろうな…千秋楽にもう一回行くのでノット来夏にとどまらない夏美ちゃんを見たいですね。
 個人的に興味があるのは来夏ちゃんの性格形成に何があったんだろう、という所ですか。ルールは大事なんだけどそれに固執しすぎて大事な物を見失いつつあるんですが、ノリマツちゃんの言葉でそのことに気づきます。「大人に頼らず子供だけでちゃんとやる」という動機はあるんだけどそれは、「大人になりたい」ということではないんですよね。軽いピーターパン症候群なのかもしれない。
 服装のせいかも知れませんが、矢島さん…体の線が女性っぽくなってきたなぁ。何か腰の辺りとかむ(ry。えりかさんが華奢に見えるくらい。一ヶ月でも随分変わるのね。
 マユちゃん
 教条主義者の姉に対して自由奔放でおしゃまな妹という分かりやすい図式。2人して堅物だったら話の方向変わりそうだな。話の根幹には関わらないんですけど、チナちゃんと2人で小ネタの部分を担当しており、楽しく見させていただきました。
 萩原さんについては、年齢相応だよねという感想しか思い浮かばない。素の延長ということでやりやすくはあったんだろうけど…今まではハロプロ最年少ということもあってか、キャラ的なものを演じさせられる場面を多く見てきたので、逆に新鮮だったなぁ。