奏彩chaaaan!!!

 暑い中本日も池袋に多分出張。
 何かいろいろあって各論に踏み込めてないんですが、このままだと「何日君再来」の時のようになりそうですので無理やり垂れ流していくぜい。
 ネタバレするんで少し埋め草的なことを書きますが「観劇マナー」について。日曜日にも吼えちゃったんで我ながらかなりしつこいんですけど、どうもある部分「価値観の違い」で片付けられそうな雰囲気も漂ってて違和感があったものですから敢えて書いとく。
 勿論出端での拍手や劇中での笑い、なんぞは個人の価値観ですから出るものは出るだろうし前述したとおり間違いではないです。ただその音によって演者の台詞が聞こえなくなって、明らかに観劇そのものに支障が出たんですよね。他の人の楽しみを奪う行為になりかねない可能性があるようなことをやっぱ個人の価値観云々だけで片付けちゃうのはチョット違う気がします。PPPHなんぞはそれで良いかもしれないけどね。
 そもそも「面白い」という情緒的反応と「声に出して笑う」という身体的反応をダイレクトに結びつける必要もないように思うんですよね。わざわざ声に出して笑うことも無いだろうし、音を出さない拍手だってありうる。「いや、それじゃ俺の愛が℃-uteメンバーに伝わらない」と仰るかもしれませんし、表現にルールはないのですが、それはカーテンコールやスタンディングオベーションなど相応しい場や方法で伝えてあげてくださいな。
 要は舞台上の演者さんに対する愛のホンの一部でいいですから、同じように愛情や興味を持って見に来てくれてる他の同志の方々に振り向けてやって下さいということです。


 愛だよ、愛。


 折角なんで、というかこちらが本題なんですが、イシゾーちゃんとノリマツちゃんのお話でも。
 この舞台では℃のメンバーは舞台となる別荘の主であるライカ軍団とある目的からそこでアルバイトを始めたノリマツ、イシゾー組に分かれております。イシゾー、ノリマツ組の機能としては…いわば格闘漫画における必殺技の解説者、もしくは高橋留美子作品におけるコマの端っこで主要キャラの行為に冷静に突っ込む通りすがりとでも申しましょうか。何を言ってるのか良く分からなくなってきましたが、とにかく主であるライカ組から見ると彼女ら2人は「外部の者」であり、ある程度の客観性が付与されています。下の名で呼ばれる5人組と対照的に「イシゾー」「ノリマツ」と姓をもじった名で呼ばれているのはその現れでしょう。
 そういう機能がある以上性格も大人が言うところの「クソガキ」になるのは自然の流れな気がします。もっともその中でノリマツが怒る、笑う、(ウソ)泣き、の割と直情型であるのに対しイシゾーはそういう彼女に対しても冷静な目を向けております。7人の中で一番全員を見てて異種の思考法をするのが彼女。その最たるものがクライマックスでの「虫除けスプレーいかがですか?」だろうな。イシゾー、まさに石像(イシゾウ)。そこまで異物つーかシニカルでいいのかなと思ったけどラストでバイトをする理由を聞かれアイドルになる準備金としてお金をためているという現実的なのか騙されているのかよく分からないけど「年齢相応」の夢を示してくれて、ちょっとホッとした。
 アイドルになるという夢を「笑う?」と聞く2人に対し、5人組は「笑わない!」このシーンで初めて彼女たちの主客が転倒するという意味で印象深いシーンでございました。ただこの2人が前のシーンでそれらしいことをしてる伏線があればもっとインパクトあったんじゃないかなぁ。例えば2人が起きて、振り付けをやってるところに次の日カレーを持ってきたルーム長が突っ込むとか、カラオケがあるといったルーム長に一番先にがっつくとかね。ともあれこの物語の表層を一つ一つ取り除いていくと「アイドルとは?」という深遠な所に行っちゃいそうだな、とは思う。
 んでメンバーについての感想。
 イシゾー(有原栞菜
 台詞回しは平板なんですが声の通りが良かったのは予想以上でした。仕草も日常的な動きからちょっと舞台的な動きの方に来てて、首の傾げ方とかカラオケボックスに乗って脚をブラブラさせる所なぞはとても印象に残りました。メンバーの中でも結構舞台向きなんじゃないかなぁ。
 ノリマツ(鈴木愛理
 脇役と言えば脇役なんだけどラストの説教シーン等見せ場はあります。ライカちゃんの世界をぶっ壊すのも外部の客観的存在だからできることでしょう。ただ破壊力というか説得力には少し欠けるかな。声量が舞台向きになっていないことが原因かもしれません。この辺は云々してもしょうがないので別の部分、例えば平手打ちをかますとか襟首をねじ上げるとか動作があると良かったかも。
 「ヨヨヨヨヨ〜」と泣き崩れるシーンはその「大根」具合が逆にわざとらしさというかある種の腹黒さが垣間見えてかえって面白かったです。