℃-ute 3rd アルバムレビュー、のようなもの

es・ca・la・tion


[名][C][U](段階的な)増大, 漸増, 拡大;(戦争の)段階的拡大, エスカレーション.

 昨日から随分なふり幅ですが今日は ℃-ute さんの NEW アルバム「3rd~LOVEエスカレーション~(初回生産限定盤)(DVD付)」の感想を書きます。作業の合間にちょこちょこ書く形になりますが、すんません。

0. ジャケット


 最初にジャケットの画像が上がってきたとき、ファイブスター物語のファティマみたいな衣装やなぁと思った。ファイブスター物語やファティマについて説明するのはメンドくさいので端折りますが早い話お人形さんということね。中の画像もペプシのボトルキャップみたいな感じでフィギュア感をかもし出しております。梅ちゃんがなぜ一人だけモデル立ちなのかは永遠の謎です。
 アップの写真はみんな可愛いんですが、栞ちゃんにガーッときたぜ。何を隠そうウチのラボではナカナカの人気なのよ。因みに梅ちゃんは口を閉じた方が可愛いそうです。

1. 都会っ子 純情


 端折りま〜す。

2. イメージカラー


 シングルで聞きなれてる組み合わせだからあまり新鮮味はないな。
 イントロが安倍なつみさんの「F.O.」にそっくり。車でのドライビングということで「真夏の光線」もちょっと入っているかも。いずれも大好きな曲で本曲はこれらのいいとこどりと言えるかもしれない。好きですこういう路線。
 それよりなにより娘。の「パープルウインド」が一番そっくりかなぁ。春の息吹を感じさせるさわやかさ、「パープル」と「空色」という色を扱ってる点、房総と湘南(134号線より)という海岸ぺたが舞台という点などなど。あぁ、パープルも平田さんのアレンジか。
 とまぁ同工異曲といった趣なんですけど、この曲の設定にヒジョーに興味がわきます。ドライビングという時点で無免許運転でない限り、彼氏は18歳以上が確定。高速を使うくらいだから地元の人間ではないし、ある程度お金を持っていると考えられる。んで主人公が「空色はねあなたのイメージカラー」と言っていて、デートに車を使って海岸まで行くという発想するような人間をイメージすると…何かムカついてきたぞ。

3. 乙女COCORO


 Berryz工房だと「Bye Bye またね」とか「青春大通り」のような青春バラード。そういう言葉があるのかは知らんけど ℃ では初めてと言っていいのかな。コンサートのラストで一度はフィーチャーされそうですね。イントロや間奏のギターが情感たっぷり。最近聞いてたポルノグラフィティの「元素L」を思い出しました。
 AメロBメロを全員のぶつ切りソロでサビはユニゾンという構成でこういうスローな曲を一度えりかさんに歌わせてみたいと思っている身にとっては若干不満の残る内容ですが、前で書いたように全員で肩組んでコンサートの大団円を迎えるとすればこれでいいのかもしれない。

4. LALALA 幸せの歌


 割愛しま〜す。

5. ほめられ伸び子のテーマ曲


 今回最大級の問題曲、迷曲といって良いかも。おっさん得意のとっ散らかった歌詞に似合わないメロディーライン。そうだなぁ美勇伝の「愛〜スイートルーム〜」を聞いた時の衝撃に似てるでしょうか。あの時は「与謝蕪村」で今回は「伸び子」に「しいの」。シャバダバというフェイクはスペジェネを彷彿とさせます。
 メロディーはまぁアッパッパーな何ちゃってファンク。音楽ガッタスを聴いてこれを聴くと崩れ落ちる事請け合い。サビの「チャチャ」という合いの手クラップの腰砕け具合がやっぱ daichi 先生だなぁと感じるのですが、こういうダサさは結構好きです。ブラスが生だったらもっと良かったかも。
 これは歌唱面に若干のなんちゃら。Aメロの鈴木さん、岡井ちゃん(2番だと萩原ちゃん、矢島ちゃん)パートの部分。理想としては「シャボン玉」とか「THE マンパワー!!!」のような巻き舌気味の低音が欲しかったんですけど迫力不足。ここでかなりのドスが効けば、ラストの囁くような「伸び子」とのコントラストがよりハッキリして名曲の域に突入してたと思うだけにちょっと残念。
 「伸び子」ももう少し色気が欲しいなぁ。日頃から物の名前をセクシーに言う練習とかしてみたら良いんじゃないでしょうか。たわしとかきつねうどんとか。バイセコー大成功!

6. めぐる恋の季節


 通過しま〜す。

7. スイーツ→→→ライブ


 週末のスイーツ巡りと好きな人のライブで迷う乙女心を描いた一作。ライブをやってると聞くとプロの方ですか?と設定に疑問を感じるのですが、何のことはない音楽に目覚めたと自称する男子達のコピーバンドなのでしょう。イングヴェイの早弾きを真似するみたいな。喩えが古いですね、申し訳ない。
 そういう連中に対して、岡井ちゃんと栞ちゃんが歌う主人公の女の子は「最近ファンが増えてるジェラシー」を感じてるぐらいですから、まだ追っかけの域を出てないのでしょう。色気より食い気、花より団子。何れにしろかわいいなぁ。
 バックトラックは凄く面白いですね。パーカッションにガムランというかマリンバ…というか詳しい事はよく分かりませんけど取りあえずバリあたりの民族音楽っぽい。そういうリズム隊に諭一さん直弾きのギターが載るという何ともミスマッチな感じがかえって面白い。自分の中では今までになかったタイプの曲というか、「天空の城ラピュタ」のエンディング「君を乗せて」が似た例として思いつく程度でしょうか。

8. 桜チラリ


 省略しま〜す。

9. 晴れのプラチナ通り


 スイーツ(笑)と違って、こちらはベタな昭和テイストの歌謡曲。平田さんアレンジという事で告白の噴水広場と似たり寄ったりだけどこっちの方がより村下孝蔵ちっくで好きです。不安定でウェットな萩原さんと中島さんの声がノスタルジーをかきたててくれます。
 前作が「ディスコ」クイーンでオッサンにとって二人は昭和の匂いを感じさせる存在なんでしょうかねぇ。プラチナ通りってセレブというよりは東武東上線あたりの商店街にありそうな名前だなぁ。少なくとも東横線には似合わない。オレンジ色の夕陽を浴びながら手を繋げそうで繋げない甘酸っぱいふたり。人差し指だけ少し握ってみたという辺りに時代を感じました。

10. ドドンガドン音頭


 クレジットでは「テンションあげ子 with ℃-ute 合唱団」となってますが、実質テンションあげ子こと梅田えりかさんのソロ曲と言って良いでしょう。鈴木さんと矢島さんに続くソロフィーチャー。名誉な事と考えてよいのでしょうが、評価としては複雑骨折をせざるを得ない。
 ただのネタソングで終わってたら良かったんですけど、彼女が見事にやり遂げて図らずも実力を証明してしまったという点が笑い転げるだけでなくて、「それでいいのか梅田えりか」という気分にならざるを得ないんですよね。℃-ute のセンターに座っても良いんじゃないかとやっぱり夢見てしまう。もちろん今はユニット大事の時期ですし、人気がありフラッグとなる子達を押し出す時期ってのは分かってるんですが、せめてシングルA面でもう少し主導権与えて欲しいという欲が沸いてきた。
 まぁそれはさて置いて干されならではの楽しみも増えそうでして、以前もう少し低いところが出ればいいなぁと書いたことがあるんですが、この曲はその問いに見事に応えた形になっています。もちろん推しゆえの贔屓目が入っていて欲を言うならチーター並みのドスが効けばなぁとも思うんですけど、このまま行けば低音部を支えられるメンバーが出現することになり音楽的な幅が広がる気もしている。
 今回は曲順の関係もあってブックの順番も彼女がラストなんですけど、個人的には凄く好き。ドラマで言うと脇役の頂点というべき位置ですしね。底辺というよりは殿の気分。もちろん主役を狙ってほしいのはあるんですけどこのまま縁の下路線を極めるのも面白いかな、と。

11. まとめ


 以上レビューというよりはただの感想を書いてきましたが長いね。ブックマークで100字感想文を書くようになりましたから、この傾向は先々顕著になるかも。更新意欲をそぎかねないので自重したい所。
 全体の感想としては、まず各メンバーをフィーチャリングした曲は比較的現実的にありそうな具体的情景を描いてるのに対し、℃-ute 全体としては「恋」「愛」「青春」といったより抽象的な歌が多いように感じました。要するに個人個人からユニット全体へのまとまり、具体から抽象に昇華しているとでもいいますか、その辺りが「エスカレーション」に込められた意味なのかなと。テンションあげ子も別の意味でエスカレートしてますしね。そういうわけで色々な事をやっていて方向性が見えないと言われそうですけど、そんな物はシングルでやれば良いし、根本の所ではまとまってるように感じましたので個人的には凄くいいアルバムだと思ってます。各メンバーにとってはチャレンジングな曲が用意されてますし。
 しかし曲中で極力触れたように「どこかで聞いたような曲」が多いように感じたのも事実でして、また個々の曲がややパンチ力に欠けるなぁと。オッサンが持っている引き出しを探し回ってようやく形をつけた感じで奇を衒ってるように見えて自己模倣に陥っている気がした。素人が言うのもなんですけど手持ちの札で勝負する時期が終わりに近づきつつあるのかもしれない。