Extra Flight - 作る人編 3

◆メンバー以外のことを語ることについて

とまぁ PV については偉そうな口を利いてまいりましたが、特に映像の学校に通っていたわけでもないですし、動画の作り方も知りません。いわばずぶの素人です。
じゃあ何で今まで語ってきたかというと単に誰も言及しないジャンルだったからです。アレンジャーについてはあれだけ喧しいのに、PV(まだ言ってる)は何で語る人が少ないんだろうと思ったのが事の発端でした。先人があまりいない分野ならネタにも困らないし偉そうな顔もできるだろうという邪心もあった。
ただ安っぽいとか感覚的な言葉で終わらせたくなかったので、自分が何を面白いと思っているのか掘り下げるために思いついたのが大学時代に受講した「オタク文化論」という授業でやってた、映像を要素に分割して面白がるという手法でした。
この場面にはどういう意味があるのか? どうしてこういう手法を選んだのか? 歌詞世界を手がかりにそれらを考えていくのはぼくの水にあっていてすごく楽しかったです。文章には出なかったかもしれないけど。個人的にしょっぱいと思っていた PV のことごとくが1人の監督さんに集約されるのは知的格闘というには面白すぎました。監督さんをまとめていたのはその副産物です。
おかげで素晴らしい PV というのがこちらの区々たる分析を超えたところにあるというのも再認識できましたし、そういうものを作る監督さんはクリエイターとしてきちんと称揚したい。経済的にも報われてほしいなとも思っています。良い PV を観るのに対価を払うのは当然かと。
残念ながら今のハロプロの PV は阿漕にも「シングルV」と称してお金を取っているくせにそれがクオリティに全く反映していないのが残念なところですが、「俺が彼女たちの魅力を増幅させてやる」という野心的な監督さんがいれば、それをきちんと見抜けるような目は磨いていたいなと考えています。しばらくはハロー以外の「PV」を観て目を肥えさせるつもり。
ただアレンジャーや PV のディレクターに限らず、ハロプロワークスの一部として重要な役を担っている人はたくさんいます。コレオグラファーにスタイリストさんをはじめ、コンサートだと照明さん、音響さん、カメラさん、大道具さん、CD でもディレクターさん、スタジオミュージシャン、エンジニアと枚挙に暇がないわけで、そういう人たち抜きのハロメンだけでハロプロが成立していると考えるのは貧困に過ぎるんじゃないかと。少なくとも彼らが良い仕事をしたら、良い仕事したなぁと見抜く目は持ってたいものです。難しいけど。
 だって。
美勇伝説 V の岡やんの『最後の夏休み』の間奏で彼氏の存在をスポットライトで現した演出グッジョブ」と言って分かる人どれだけいるんだろう…あまりにもマイナーすぎると同調する人すらいないという寂しいことになるんですが、それでも語る価値はあると思います。