競馬英雄伝説〜エピソード2010

いよいよ競馬の祭典日本ダービーが明日に迫りました。


今年は最高峰のダービーを目指していろんなルートを歩んだ馬達がそれぞれ強い勝ち方、レースを経て集結しておりここ数年で一番面白いダービーと言われております。個人的には絶対的なスターはいないけど、粒ぞろいのスター候補生達が鎬を削るという意味での面白さだと思っているんですが、明日のレースが終わったら間違いなく1頭のヒーローが生まれる、そんなレースになりそうです。問題は今日明日の天候。光速馬場とは言わないけれど良馬場でのガチンコ勝負を希望しているので何とか持つか、サッと降って去ってほしい。頼むぜ雨雲よ。


そんな中。
前哨戦の1つ NHKマイルカップ(GI)を日本レコードで勝ったダノンシャンティが骨折で出走取り消しだそうで。


ダノンシャンティの取り扱いは今回のダービーを予想する中で一番迷ってただけに、頭脳労働という意味では楽になったのは確かなんですが、これだけの馬が大一番を前に離脱を余儀なくされるのはやっぱ残念無念。もちろん一番無念なのは調教師をはじめとしたスタッフさんたちだと思いますが、最初このニュースを知った時まず思ったのは「マツクニさんまたやった」でした。


ダノンシャンティを管理する松田国英調教師はこれまでの皐月賞日本ダービーというクラシック路線に対し NHKマイルカップ日本ダービーという新しい日本ダービーへの道筋を開拓したイノベーターであり、ダービーも2勝している日本屈指の調教師です。「マイルとクラシックディスタンスを勝った馬こそが種牡馬として重宝され幸せな馬生を送ることができる」というポリシーのもと、レースを選び、馬を鍛え上げるその姿勢は尊敬に値する。
それでも手放しの賞賛をためらってしまうのは、そうやって鍛え上げた名馬たちで無事に競走馬生活を終えた馬がほとんどいないことなんですよね。クロフネタニノギムレットキングカメハメハ、そしてダイワスカーレットと枚挙に暇がない。
もちろん強い馬を育てるには手加減できないし、強さと故障は紙一重という主張はあると思います。しかし藤澤和雄調教師のように多くの名馬の競走馬生活を全うさせることができる調教師もちゃんといるわけですし、経験的なものに過ぎないけれどマツクニさんのところで壊れた名馬はやっぱり多いように感じるんですよね。
とまぁそういった先入観もあって今回のダノン君も「また壊した」というやるせない思いを抱きましたが、そこは違っていて軽い骨折だそうなので、秋の天皇賞とかマイルCS辺りに出てこれることを楽しみにしつつ、まずは無事に回復することを祈ってこの項終わり。