馬鹿あをによし2

翌日は平城遷都1300年で賑わっている奈良へ。せんと待ってろよーッ。


京都は年1回の頻度で行ってますが、奈良は大学生の時以来だから10年ぶり。京都や大阪と違って手ごろな値段のビジネスホテルが少ないので好きな割にはなかなか縁遠い土地でしたが、大阪からでも意外に近いのね。今回は市営地下鉄中央線から生駒経由で大体40分程度だったので、大阪で泊って足をのばすという方法も悪くないかなと今では思っている。

薬師寺

前回は奈良公園方面だったので、大和西大寺から西ノ京へ。薬師寺唐招提寺の二寺が主目的。
かつて干支が1周するくらい前に訪ねた時は色々工事中だったのですが、その時工事してた講堂や西塔が復元されてて立派なお寺になってました。もっとも古色蒼然たる趣の東塔と比べるとミスマッチのようなものが感じられて面白かったです。
もっともミスマッチの大半はちょうどこの日奉納公演をやることになっていた AKB48 コンサートの会場が設営されていたところにあったのかもしれない。伝統と格式というイメージがある仏教界にあって、薬師寺のような大きいお寺がこういう試みをやっているのは面白いと思うけど、寺域の大半が現代に復元された空間だからこそやれることなのかなと思いました。これが東大寺だったり高野山だったりしたらまた別の感想が沸くのでしょう。

本尊の薬師三尊はやはり一見の価値がある至宝でした。

唐招提寺

薬師寺から北へ徒歩10分。これだけの距離で国宝がゴロゴロしてるんだから、そりゃ世界遺産だわな。
大好きな画家の東山魁夷画伯が描いた障壁画のあるお寺というだけでも行く価値はあるのに、前行った時は金堂が修復中で見ることができなかったので、唐招提寺はある意味憧れのお寺になってました。実際に金堂を見ることができた時は嬉しさのあまり思わずニヤニヤしてしまいました。傍から見たらさぞ気持ち悪かっただろうなぁ。

鑑真和上の御廟の傍らにはかの井上靖先生の代表作のひとつ「天平の甍」を刻した石碑がひっそりと立っていて、文庫本持ってくればよかったとちょっと後悔。聖地巡礼じゃないですけど、物語の舞台で本を読むのは結構オツなものなんで。今回は「鹿男あをによし」の方を持ってました。はい。

西大寺

唐招提寺から「歴史の道」を辿って北上。途中で垂仁天皇陵という古墳がデンと横たわっていて何か感動。その後道順をロストして、住宅地に紛れ込んだりしてましたが、何とか目的の西大寺に到着。

ふむ、これが「うまし うるわし 奈良」キャンペーンに登場した幻の大寺か。確かに西大寺とついているから、かつては東大寺と並ぶ西の大寺だったのでしょうが、今はつつましい外見のお寺でした。中は結構節操無くて面白かったけど。
近鉄の主要ジャンクション駅の大和西大寺駅は徒歩2分ぐらいのところにあってびっくりした。

平城遷都1300年祭平城宮跡会場

大和西大寺から無料シャトルバスで会場へ。案内を見て思ったけど先にこっち行って、レンタサイクル借りた方が小回り利いて良かったかもしれない。1日700円で近鉄奈良とか西ノ京で返却できたんであれば、奈良公園まで行くことが可能だったと思うので。
で会場ですが、元々平城宮を発掘してたところに当時の宮殿(太極殿)をおっ立てただけ。まぁ「だけ」というのもオーバーですが、イメージとしては草ボーボーの天安門広場を想像してもらえれば適当でしょうか。テレビで見覚えのある風景でしたので「鹿男」でも使われたように思う。

見ろ、人がゴミのようだ
公式グッズショップはせんと君だらけ。Tシャツを買おうかと思ってたのですが、着て近所をほっつき歩く姿を想像すると恥ずかしさの方が勝ったので、つつましくハンドタオルにしました。え、つつましくない? あ、そう。


最後はJR奈良線で京都に向かいながら車中で「鹿男あをによし」を読むプレイ。わずか半日の奈良旅行でしたが、トピックを絞ったせいか思った以上に楽しむことができました。野望の一つだった唐招提寺にも行くことができた。今度はもう少し南の室生寺とか行ってみたいですね。吉野の金峯山寺もいつかは。